私の住む荒尾市は熊本県の西北端に位置し、北は県境を越えて福岡県大牟田市と
市街地でつながっており、商店街の真中を県境の境界線が走るというのは、全国的に
見ても大変珍しいと思います。
東には、中世から近世まで市域一帯を支配していた小代氏の居城跡のある小岱山
(標高501メートル)を望み、(この山の中腹には、東洋一の大梵鐘で知られる蓮華院
誕生寺奥の院があり、大相撲の九州場所のときには横綱の土俵入りも行われます。)
また西には遠浅の海岸で有名な有明海を隔てて島原半島を望み、天気のよい日には、
雲仙の山々が眼前に迫ります。(普賢岳噴火のときは、降灰もありました。)
荒尾市は隣の大牟田市と共に三池炭鉱によって栄えてきた街で、かつては市内のい
たる所に炭住街が広がり、典型的な三井の企業城下町として発展してきました。
しかし、石炭政策の後退により三池炭鉱も縮小を続け、平成9年3月にはついに閉山
に至り、荒尾市も炭鉱依存から脱皮して新たな将来像を模索中のようです。
その一つとして力を入れているのが、商業と観光、レジャーの街ということで、三井グ
リーンランドを中心として、ウルトラマンランド・九州わんわん王国・弥生の湯などの「ス
パあらおリゾート」、西日本最大級の複合商業施設と謳った「あらおシティモール」など
があって、休日には付近の道路は車であふれ、時には何キロも渋滞が続くこともあり、
なかなか好調のようです。
しかし一方では、「スパあらおリゾート」の中核施設として、第三セクター方式でオープ
ンした「アジアパーク」が開業後数年持たずにつまずき、また、広大な工業団地を造成は
したものの、企業誘致が遅々として進まないなど幾多の難問も山積していて、三池炭鉱
閉山後の失業者対策と合わせ、市当局には尚一層の努力をお願いしたいと思います。
以下は、平成12年2月末現在の市勢です。
人口 |
男 |
26,992人 |
女 |
30,752人 |
計 |
57,744人 |
世帯数 |
21,540世帯 |
総面積 |
57.15ku |
人口密度 |
1010人/ku |
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