平成16年万田坑市民まつりに行く


万田坑市民まつり


  平成15年3月の毎週土・日曜日、万田坑の歴史的価値と魅力をPRするため、「万田坑市
 民まつり」が荒尾市と荒尾市教育委員会によって開催されました。
  主な催し物としては、撮影大会や、コンサート、元炭鉱マンなどが炭鉱の歴史や裏話など
 を語る「炭鉱の歴史を語る会」などが企画され、また、まつり開催中は万田坑の内部を自由
 に見学できる(元炭鉱マンなどによる案内付き)とあって、それなりの人出はあったみたい
 でしたが、イベントそのもののPR不足のせいか、そんなに賑わっていたという程ではなかっ
 たようです。
  私は、3月15日(土)に行われた、荒尾出身のシンガーソングライター、関島秀樹さんのコ
 ンサートに行きたかったのですが、土曜日で仕事を休むわけにいかず、無念の涙を飲みま
 した。(日曜日なら、もっと沢山の人が関島さんの歌を聞くことが出来ただろうに…)
 
  以下はまつり開催中に撮った万田坑内部の写真です。
  
  

 万田坑のシンボル、第2立坑ヤグラ。
 明治41年の完成以来、第1立坑が解体
 された後も 万田坑を見つめ続けてきた
 このヤグラも、もうすぐ100歳を迎える。
 1世紀近く働き続けてきたヤグラは腐食
 が進み、このままでは倒壊のおそれも
 あるという。
 選炭場跡方向から2坑ヤグラを望む。
 腐食は全体に回っており、早急な対策
 が必要と思われる。
 因みにこの第2立坑は人員昇降、資材
 運搬用として使われていた。
 第2立坑坑口。
 上の写真のヤグラの真下に当たる。
 ここから「ケージ」と呼ばれるエレベー
 ターに乗って坑内に下がっていた。
 平成9年の閉山時に埋め立て閉鎖され
 ている。
 坑口までの通路にあった看板。
 胴体の切り抜き個所にいろいろな標語
 などを表示していたのだろうか?
 鍵が掛かっていて窓越しの撮影となっ
 たが、ここは安全灯室。
 キャップランプの充電器が並んでおり、
 坑内から昇降したら、決まった場所に
 キャップランプを返して充電しておく。
 立坑のケージ。 (エレベーターの箱)
 これがワイヤーロープで吊るされ、地下
 270mの坑内まで人員や資材を昇降さ
 せていた。
 25人乗りで、床にはレールが敷かれて
 いるのがお分かりだろうか。
 左の綺麗な方は予備で、右の錆が目立
 つ方が閉山時まで使われていたもの。
 第2立坑巻揚機。
 明治41年の完成当初は蒸気動力だっ
 たが、その後電動機の登場で、電気動
 力に変更された。蒸気動力だった頃の
 機械台座跡なども残っている。
 左側の丸いメーターは深度計。
 巻揚機の説明をしておられた万田坑
 ファン倶楽部の土山さん。
 実際に万田坑で勤務されていたという
 ことで、自作の図面などを駆使して丁寧
 に説明されていた。
 2坑巻揚機室の前に残る車道、炭函、
 エンドレス巻揚機。
 
 上の写真の巻揚機部分。
 この機械でワイヤーロープを巻いたり
 差したりして炭函を動かしていた。
 事務所跡。
 事務所2階内部。
 同上。
 山の神。
 坑内に下がる際には安全祈願をして下
 がった。
 第1立坑ヤグラの台座。
 この台座(基礎)と現存する2坑ヤグラ
 を比較しただけで、1坑ヤグラの巨大さ
 が感じ取れる。
 第1立坑坑口。
 この1坑は採掘した石炭を坑外に揚げ
 る施設だった。
 この鉄製の網の蓋に乗ると、深く暗い
 闇が見え、坑内に吸い込まれそうな気
 がする。


平成16年万田坑市民まつり



  平成16年3月20、21日の土、日曜日に再び万田坑市民まつりが行われました。
  今年は地元出身のシンガーソングライター、関島秀樹さんのコンサートが日曜日にあると
 いうことで、21日には家族総出(といっても4人ですが…)で万田坑に出かけました。
  昨年と同じく万田坑内の見学をしてコンサートの開演を待っていましたが、あいにくの空
 模様のせいか、それとも2年目のせいか、去年ほどの賑わいは無かったように思います。
 
  お目当ての関島さんのコンサートのほうはお昼前から振り出した雨のせいで急きょ万田
 炭鉱館のロビーでの開催となり、立て坑やぐら前で熱唱する姿を見れなかったのは少し残
 念でしたが、立ち見客も出るほどの盛況で(会場自体が狭かったですが…)、2時間あまり
 はあっという間に過ぎました。
  
  


 3月21日、あいにくの天気の中、お昼
 過ぎに万田坑跡へ行ってみると、去年
 は無かった案内板が…
 この「万田坑案内図」には構内探訪
 マップが大きく掲げられており、万田
 坑の見所が一目でわかるようになっ
 ている。
 立て坑やぐらの腐食はかなり進んで
 いるように見えたが、財政難の市が
 予算化を見送ったため補修工事の目
 処は立っていないと聞く。
 去年は鍵が掛かっていた安全灯室。
 小さいメーターが並んでいるところに
 キャップランプを挿し、バッテリーを充
 電する。
 このように天気に恵まれれば関島秀樹
 さんのライブ会場となるはずだったと思
 われる2坑やぐら前の広場。
 あいにくの雨模様のため急きょ隣接の
 「万田炭鉱館」のロビーでの開催となっ
 た。(この写真は昨年のもの)
 ぎっしりの人だかりとなった万田炭鉱
 館のロビーで約2時間にわたり熱唱す
 る関島さん。(ストロボの光量不足の
 ため、画質が悪くなってしまいました。
 ご容赦を…)
 この日は、風走れに始まり、竜馬の夢、
 てんごの夢、玉高を忘れない、生きた
 らよか、ARAOなどの持ち歌の他に荒
 木栄さんの労働歌等も披露して下さり、
 あっという間の2時間でした。

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